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これまで日本社会を支えてきた、土地は値下がりしない資産という土地神話は崩壊し、土地本位制は崩れ去りました。
リスクなしで含み益を生んできた土地という資産を抱え、含み益分を保険にしたどんぶり勘定での投資計画はもはや通用しなくなったのです。
地価は常に上地価は流動的。
土地+建物がるもので土地は長く一体としての不動産価値で充分で、あとは業界横並びで進めばよかったのです。
いわゆる官主導の護送船団方式を堅守していれば、旧来型の経営は充分に成り立ったのです。
ファシリティなどの細かいことは無視できたのです。
ところが、土地を中心とする不動産を保有することがリスク要因となり、不動産を担保とした金融システムの再考が迫られ、すべての投資計画の根本的な見直しが必要になってきました。
ファシリティ資産の評価は重要なテーマになってきたのです。
ところで、今後の日本の労働力需要やオフィス需要はどうなっていくのでしょうか?ファシリテイコスト・マネジメントを考える上で、将来動向の予測は重要な要素です。
まず労働力需要の予測の前提となる労働力人口の予測からみてみましょう。
少子・高齢化が進む中、国立社会保障・人口問題研究所が2002年1月に推計した「日本の将来推計人口」によると日本の総人口は2006年にピークを迎え、その後は減少に転じ2025年には1億2113万人になると推計しています。
また、生産活動に従事可能な15歳-65歳の人口(=生産年齢人口)をみると、すでに1995年にピークを終え、2010年には550万人減、2025年には1500万人減と推計されています。
一方65歳以上の老年人口は拡大し続け、2025年には総人口の28.7%になるとされています。
つまり、いわゆる働き手は減少しつづけ、老年人口だけが増えつづけるのです。
では、就学者や失業者、未就業者を除いた就業者数はどのように推移するのでしょうか?日本労働研究機構がまとめた「職業別就業者数の推移」によると、就業者数は2005年にピークを迎えその後はなだらかに減少しますがほぼ横ばい状態とされ、ファシリテイコストに関係してくるオフィスワーカー数の推移予測についても、やはり2005年にピークの3431万人を迎えますが、その後はほとんど横ばい状態と予測されています。
この予測通りに推移するならば、1995年にピークを終え、その後は減少に転じている生産年齢人口に反して、就業者数は2005年にピークを迎え、その後も横ばい状態が続くことから、2005年あたりから労働力の需給バランスが回復し始めると考えられます。
しかも団塊の世代と呼ばれる1945年一1950年生まれの人達が60歳の定年を迎えるのが2005年〜2010年。
これらの予測値から2010年には逆に労働力不足が始まりそうです。
この予測値どおりに進むと現状のように、リストラだ、失業者350万人だ、などと言っておられなくなり、老年者の就業、主婦等の未就業者の就業参加、外国人労働者の就業等が拡大しないと、働き手はまかなえない構造となります。
ただし、人材不足が生じるのは、企業が必要とする質の高い労働力需給に限つてのことと考えられます。
一方で、パワフル時代の賃金コストの高騰により製品のグローパル価格競争に対応できないと判断したメーカーは、次々と海外に生産拠点を移し、国内との賃金格差を利用したコスト戦略を取り始めました。
この結果、工場が海外に移転したため、工場従業員の雇用の場は減少し、リストラによる解雇や希望退職促進策とともに失業者増加の一因となっています。
雇用機会が奪われるのは工場などの生産部門だけではありません。
コスト削減のため、徹底した業務の効率化が図られ、ホワイトカラーのリストラも一向にやみません。
このため、この傾向はますます拡大し.就業者数はより減少に転ずると予測する方も多数おられます。
いずれにしても、新たな価値観をもった企業経営に適合する優秀な人材の確保は企業の生命線です。
生産年齢人口比率の低下に伴い、優秀な新卒就業者への青田刈りは激化するでしょう。
採用においても獲得対策が必要ですが、社内にいる優秀な人材が逃げ出さないようにする対策がもっと重要になるでしょう。
そのためにも、働く環境の整備、つまり物理的環境としてのオフィスや口機器類の整備が重要になってくると思われます。
こうした環境整備に対するコスト、つまりファシリテイコストの最適化が求められるようになるのです。
(4)ITの進展でオフィスワークは「時」と「場所」を超えた四次元世界に変わる!?一方、IT'の進展は業務構造自体を激変させ、オフィスワークにおいては、インターネットを利用したウェブ上での業務遂行を前提に、時間・場所を共有しない職務・作業遂行が増加してくると思われます。
たとえば、あるサービス商品の開発を目指したプロジェクトチームを結成するとしましょう。
チームリーダーは国内のオフィスを拠点、に活動するとして、あるメンバーはインド在住、あるメンバーは米国在住の者を指名します。
そして業務の指示や進行レビュー、各種管理はすべてインターネットを通じて行うものとします。
これにより、日本とインド、米国の時間差を利用して、24時間の業務遂行も可能となるというわけです。
こうしたウェブ上で職務・作業がほとんど遂行可能な職種についてはオフィスという場所の提供も不必要なケースが出てきます。
この形態においては通勤地獄はなく、高齢者や障害者の就業、家事と兼務の就業も可能です。
つまり、「時間(時差)」ゃ「場所」を超越した四次元世界での業務遂行が行われるようになるのです。
ここまでくると、勤務する「場所」の提供を前提とした企業のファシリテイコスト戦略においては、ITにかかるコスト、通勤費用や人に関わる費用、といった他の企業インフラとの中で、最適なバランスを考えたコストを追求することになります。
生身の人間が介在しないと遂行しえない職務・作業は残るとして、企業の差別化、そして生き残りのためITにより合理化可能な作業は大幅に縮小されるでしょう。
そして創造・分析等の知的生産業務(研究・開発、企画・戦略立案、システム設計等)が拡大すると思われます。
このため、人事採用では知的生産能力を判定するモノサシが改良され、学歴・性別・年齢によらない採用形態が活発化し社内における人事評価基準も見直されるでしょう。
こうなると、新卒定期採用などという枠ではない、必要な時に必要な人材を採用する(中途採用も増加する)対応策が重要になります。
しかも、「場所」を超越した業務遂行であれば、勤務場所を指定すること(たとえば、東京本社での勤務や横浜研究所での勤務という指定)もなくなります。
ただし、この勤務形態は国内では労働基準法での制約があるため、個人との個別雇用契約による契約社員的雇用関係が増加してくると思われます。
つまり、終身雇用制や年功序列による給与体系とは全く違う価値観体系が求められるわけで、新たな給与体系(それは、企業保有の福利厚生施設の利用といった、間接的なインセンティブも含めて)の下では、モチベーションアップのためにファシリティの有効活用を考える必要が出てきます。
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